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  • シャカテキスタイル株式会社

加工工程のご紹介

1.インクジェット前処理



 一般的には知られていませんが、インクジェットプリントでは前処理工程が非常に大切です。
 前処理の役割は大きく分けて2つあります。



①インクの滲み防止
 型を使ったプリントと違い、インクジェットプリントで用いる染料は文字通り粘度の低い’インク’です。したがって滲み防止処理をしていない生地にそのままプリントをするとインクが滲んでしまい、シャープな印刷ができません。
 布に水を垂らすとじわっと染み込みながら広がる様子をイメージしてください。
(紙の場合も同様でインクジェット専用紙として販売されているものには滲み防止の処理がしてあります。)

②染料インクの定着剤

 当社のインクは反応染料と言われる染料をベースに調合されています。
 反応染料は文字通り ’生地と化学反応を起こし定着する’ 色素です。
 この化学反応を起こすための要素として必要なものの1つがアルカリ性です。
 前処理工程では①の滲み防止剤と同時に生地にアルカリ性を持たせる処理をしています。


2.プリント


 プリントと聞いて最もイメージしやすいのがこの工程かと思われます。
 この工程ではプリンターに搭載されたプリントヘッドから各色のインクを滴下し、柄を作り上げていきます。
 この際のインク1滴あたりの量は約10PL(ピコリットル)程度と非常に僅かなものです。※1PL=1兆分の1リットル。立方体にすると10μ㎥
 この滴下された微細なインクが生地の表面に着弾すると丸いドットを形成していきます。
 インクの基本色はシアン・マゼンタ・イエロー・ブラックの4色ですが、このドットを重ね合わせることで多彩な色を再現しています。
 

3.蒸し



 プリント工程が終了した生地はこの蒸しの工程へ移ります。
 この工程で水分を与え熱を掛けることで、染料と繊維が化学反応を起こし、色が生地に定着します。
 生地のアルカリ性と水分、熱の3つが反応染料に欠かせない3要素となります。


4.水洗


 この工程では1の工程で付けた前処理剤と蒸し工程で生地に定着しなかった未固着染料を洗い流します。
 反応染料は綿や麻、レーヨンなどのセルロースと相性が良く、化学的に結合しようとします。しかし、水分とも結合しやすいという特徴を持っています。
 プリント時に吐出したインク量を100%とすると、そのなかの約60%は繊維と結合しますが残りの約40%は蒸し工程で生地が吸収した水と結合しています。
 水と結合した染料は生地に乗っているだけ、つまり化学的な結合をしていないため洗い流す必要があります。

 

5.巾出し


 水洗後の生地はこの巾出し工程へと移されます。ここまでの工程で、生地は縦に引っ張られており最初と比べると数パーセント伸びています。また、縦のテンションがかかることで横(巾)方向は僅かに縮んでしまいます。
 (湿布を伸ばすと幅が狭くなるのをイメージしてください。)
 そのため、この工程では生地を横に引っ張りながら熱を掛け、乾燥させることで生地の寸法を最初の段階と同じになるよう調整します。
 この工程を省いてしまうと生地の寸法安定性が無くなったり、柄の大きさがプリント時と仕上がり時で異なってしまう原因となります。



ここまでの工程で生地が仕上がりました。

この後、生地の検査をし、ロール状に巻いて梱包・出荷されます。



当社では常に様々な生地を前処理をしてストックしています。

また、前処理工程から仕上げ工程まで自社工場で一貫して加工しています。

そのため、色校正で約1週間、量産プリントで約2週間と迅速な対応が可能です。


急遽展示会のサンプルが必要になった。機械捺染ではサンプルの納期に間に合わない。海外工場の納期が遅れ、国内で手配する必要がある。等 

お困りの際は1度当社にご相談いただければと思います。


シャカテキスタイル株式会社





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